【コラム企画第2弾】
導入後が本番!
MerQuriusを“使いこなす”ための運用ポイントとは?

2024年に配信した「食の安心・安全コラム」では、MerQuriusを導入する前の品質保証業務のあるべき姿について、大手食品メーカーの品質保証責任者様をアドバイザーとしてお迎えし、全9回にわたりご紹介しました。今回のコラムでは、MerQuriusを導入した後に、どのように運用すれば業務効率の向上につながるのかについて取り上げております。「導入したものの具体的な運用・活用方法が分からない」「他社の運用事例を知りたい」といったお声にお応えし、運用のポイントや工夫について、アドバイザーの視点から分かりやすく解説いただきました。

 

第1回:
「MerQuriusを導入した後、体制はどうするべきか?」編

掲載日:2025年8月26日

ここがポイント

  • 導入目的の明確化と社内での合意形成が重要

導入目的と体制

JFEシステムズ(以下、JFE):MerQuriusを導入する際、お客様から「どのような体制を整えれば、スムーズに運用できるのか?」というご相談をいただくことがあります。この点についてどのようにお考えでしょうか?

アドバイザー

体制の構築は非常に重要なポイントです。MerQuriusの導入目的によって、体制は決まってくるものだと考えています。MerQuriusのブランドサイトには、さまざまな企業の導入事例が紹介されていますが、運用がうまくいっている企業には共通点があります。それは、導入目的とその前提条件を事前に明確にし、関係者間でしっかりと合意を得ていることです。

 

MerQuriusの最大の特徴は、品質情報を管理することであり、原料・商品の品質情報を管理し、ミスなく確実に登録できる点にあります。この辺りの業務を現状どのような組織が、どのように関与して行われているのか。そして、原料、商品の情報が一元管理された結果、規格書作成など、どんな業務に活用するかによって体制が決まります。

 

品質情報の管理することを考えると、その中身に詳しい組織がリーダーとなり、企画・開発・調達などの関連部署を巻き込んでいく体制を構築することが、スムーズな運用につながると考えています。

 

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MerQuriusの導入目的

JFE:先ほど、MerQuriusの導入目的についてお話がありましたが、具体的にはどのような導入目的が考えられるのでしょうか?

アドバイザー

導入目的は各社によってさまざまですが、導入事例を拝見する限り、大きく3つのタイプに分かれると考えています。

 

  1. MerQuriusの機能である原料、商品の品質情報をワークフローで登録し、登録した内容を色々な場面で活用する。
    東洋水産株式会社様 導入事例

  2. 配合登録、商品登録等、スクラッチで開発していたシステムをMerQuriusに変更することで、業務負荷を低減させる。
    アミュード株式会社様 導入事例


  3. 原料、商品の品質情報を管理する仕組みとしてのみ活用する
    赤城乳業株式会社様 導入事例
    尾西食品株式会社様 導入事例

 

品質保証を管理する商品情報が軌道に乗ると、色々な場面で活用したいという広がりが生まれます。だからこそ、全社的なプロジェクトとして進めることが望ましいと考えています。

 

ただし、軌道に乗るまでは、入力業務を担う部門へのサポートが非常に重要です。特に、既存業務に負担をかけずに情報を入力できるよう、業務の見直しを行うこと。そして、業務フローがうまく回っているのかを確認し、うまくいっていない部門には適切なフォローを行うことが重要となります。既存の業務にプラスして情報入力することは、担当者の負担が大きく、既存業務のやり方を変えて、こちらで入力してという業務の見直しが必要です。

JFE:貴重なお話をありがとうございました。
今回のコラムは、MerQuriusの導入をご検討されているお客様にもご覧いただいています。
そこで、初めてMerQuriusを導入される企業様に向けて、何かアドバイスがあればぜひお聞かせいただけますでしょうか?

アドバイザー

MerQuriusを導入する際には、まず「導入目的を明確にすること」が非常に重要です。その目的に向けて、社内でどのようなステップを踏んで実現していくかを事前に整理しておくことが、スムーズな運用につながります。JFEシステムズは、あくまでサポート役として考え、社内での準備が大切です。

 

例えば、「商品情報を一元管理し、産地などの問い合わせに対応できる仕組みを構築する」という目標を設定した場合、その目標を具体化し、以下のような観点でステップを決めていく必要があります。

 

  • 商品は何を対象とするのか(例:自社が販売しているすべての商品を対象とするのか、一部商品を対象とするのか(NB品、PB品など))
  • パッケージ表示に記載されている商品情報は登録するのか
  • 原料情報は、どのように取り直し、どのように登録するのか
  • 配合情報は、誰が、どのように登録するのか

 

このように、目的に沿った計画的な導入と、現場の負担を考慮した段階的な運用が、MerQuriusを効果的に活用するための鍵となります。

本コラムアドバイザーの経歴

大手食品メーカーにて研究開発、品質保証責任者を歴任。長年に渡って、同社のMerQuriusの社内運用にご尽力をいただいており、今では同社の情報系の重要な中核システムとして全社でご活用を頂いております。2011年には、第1回食品表示検定・上級にも合格されており、現在は後進の育成にご尽力されています。

次回は以下からご覧いただけます。

2024年掲載「食の安心・安全コラム」全9回
~20年来のMerQuriusユーザーが語る品質保証業務のあるべき姿とは?~
はこちらからご覧いただけます。
https://www.merqurius2002.com/food_safety_security1

 

JFEシステムズでは、品質保証部門の課題解決に関するセミナーを定期開催しております。
多くの食品メーカーで実際にどのようにMerQuriusを活用されているのか、事例等もご紹介しております。ぜひご参加ください。

※「MerQurius」は、JFEシステムズ株式会社の登録商標です。その他の記載されている製品名は各社の登録商標または商標です。

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