【食の安心・安全コラム】
20年来のMerQuriusユーザーが語る
品質保証業務のあるべき姿とは?

品質保証業務はどうあるべきなのか。

食の安心・安全を担保する上で最重要となるこのテーマをJFEシステムズは20年以上にわたり、多くの食品メーカー様と一緒に考えてまいりました。

本コラムでは、長年MerQuriusをお使いいただいている大手食品メーカーの品質保証責任者様をアドバイザーとしてお迎えし、全9回にわたって、品質保証業務のあるべき姿を解説していただきました。

第7回:商品情報管理編

掲載日:

ここがポイント

  • 商品開発における様々な情報は「一元管理を行う」だけでは足りない
  • 原料と商品の「版管理」の重要性

商品開発のプロセスと商品情報の関係性

JFEシステムズ(以下、JFE):今回は食品メーカー様の肝となる、「商品情報管理編」です。まずは、食品メーカー様の商品開発のプロセスについてお聞かせいただけますでしょうか。

アドバイザー

食品メーカーの商品開発は、家庭用製品の場合、年2回の棚替えを目指し行われており、開発期間は半年から1年(技術開発期間を除く)です。業務用製品は、先方の要望もあり季節性はありませんが、家庭用に比べ開発期間は短いです。

商品開発は、以下の流れで進めていきます。

 

food_safety_security7_01

上記の開発プロセスを経る中で、様々な部署が関わります。品質保証や開発はもちろん、資材/購買/調達部門、企画部門などが連携しながら、開発プロセスを進めていきます。開発プロセスを遅滞なく進めるためには、各部署が持っている大量の情報を、素早く正確に連携、共有する必要があります。共有サーバーを作って、各部署が情報をアップロードする、といった方法での情報連携をされている企業がほとんどだと思います。ただ、それだけでは適切に情報の共有、管理がされているとは言えません。担当者がアップロードを忘れてしまったら・・・、保管先を間違えてしまったら・・・、命名規則はどうする、他にも多くの課題が考えられます。
結局、品質保証/管理部門が商品に関わる情報を各部署からヒアリングして、取りまとめている企業も多いと伺います。共有サーバーでの情報の管理では必ずしも十分とは言えないのではないでしょうか。

 

JFE:まさに食品メーカー様の根幹とも言える、商品開発においても「情報の連携、管理」の課題は発生しているのですね。今回の課題について「MerQurius」はどのようにお役立ていただけているのでしょうか。

アドバイザー

MerQuriusは、「開発プロセス」に沿って必要な情報を「各部署」が登録することで、パッケージ作成や問い合わせ対応に利用できるツールです。商品登録、配合作成、原材料表示、栄養成分表示、法定表示、商品説明の順に進めます。先ほど、各部署が大量の情報を持っており、品質保証/管理部門がそれを取りまとめていることが多い、と申し上げました。

MerQuriusは、各部署が持つ源流の情報が最も情報の「鮮度」が高いと考えられているため、各部署で責任を持って情報を入力するような仕掛けになっています。社内共有基盤としての情報の「一元管理」という側面だけでなく、情報の「鮮度を保つ」ことが出来る仕組みであることが、大きなポイントだと思っています。

JFE:ありがとうございます。情報が単に共有できるだけでなく、鮮度という観点も加えて管理を行うというコンセプトは、MerQuriusパッケージを開発する当初から大事にされてきた考え方です。他にもポイントとなる機能はございますでしょうか。

原料と商品の「版管理」

アドバイザー

商品や原料を版管理できるという点も大きな特徴です。同じ商品でも版を変えることで、紐づいている原料情報(原材料名)を別に持つことができます。同じ原料でも版を変えることで、原料品質規格書を別に持つことができます。

商品と原料の版管理イメージは以下の通りです。

 

food_safety_security7_02

 

商品は何かを変えるタイミングで版を上げることが基本です。原料は原料品質規格書が変わるたびに版を上げます。こうすることで、商品の版ごとにその時の原料情報を紐づけることができます。さらに近年では、商品に変化がない場合(原材料表示が変わる等)であっても3年に1回といった定期的な商品の改版を行われる企業もいらっしゃるようです。

JFE:ありがとうございます。各メーカー様で原料あるいは商品の改版タイミングやルールを悩まれているお話もお伺いしますが、一つのご参考になればと思います。

次回は「得意先向け商品カルテ編」です。
いよいよ、本メルマガコラムも終盤となってまいりました。最後までご覧いただけますと幸いです

本コラムアドバイザーの経歴

大手食品メーカーにて研究開発、品質保証責任者を歴任。長年に渡って、同社のMerQuriusの社内運用にご尽力をいただいており、今では同社の情報系の重要な中核システムとして全社でご活用を頂いております。2011年には、第1回食品表示検定・上級にも合格されており、現在は後進の育成にご尽力されています。

前回は以下からご覧いただけます。

次回は以下からご覧いただけます。

JFEシステムズでは、品質保証部門の課題解決に関するセミナーを定期開催しております。
多くの食品メーカーで実際にどのようにMerQuriusを活用されているのか、事例等もご紹介しております。ぜひご参加ください。

※「MerQurius」は、JFEシステムズ株式会社の登録商標です。その他の記載されている製品名は各社の登録商標または商標です。

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