【食の安心・安全コラム】
20年来のMerQuriusユーザーが語る
品質保証業務のあるべき姿とは?

品質保証業務はどうあるべきなのか。

食の安心・安全を担保する上で最重要となるこのテーマをJFEシステムズは20年以上にわたり、多くの食品メーカー様と一緒に考えてまいりました。

本コラムでは、長年MerQuriusをお使いいただいている大手食品メーカーの品質保証責任者様をアドバイザーとしてお迎えし、全9回にわたって、品質保証業務のあるべき姿を解説していただきました。

第6回:法令対応編

掲載日:2024年6月19日

ここがポイント

  • 「法令順守」はメーカーの基本であり、複数回のアセスメントを実施している
  • 確認すべき法規や自社ルールは多岐にわたり、メーカーはチェックに苦労している

「法令順守」と「製品開発プロセス」

JFEシステムズ(以下、JFE):前回は、配合作成・原材料表示について伺いました。原材料表示を作成するうえで重要なポイントとして「法令対応」とありました。具体的にどのような対応をされているのでしょうか。

アドバイザー

製品開発において、法令順守はメーカーの基本となるため、開発の各段階において開発者のセルフチェック、品質保証部とのアセスメントが実施されています。

 

  1. 原料採用、包材採用時に確認(原材料アセスメント)
  2. 製品コンセプトと配合検討中の段階で確認(セルフアセスメント)
  3. 配合、表示がほぼ完了した段階での確認(品質、表示アセスメント)
  4. 初回生産品での最終品質アセスメント

 

開発が進むにつれて、1から4まで進むのが一般的ですが、製法を含めた配合が決まらないと3の品質、表示アセスメントは難しいです。一方、配合が決まって問題に気づいても、内容によっては発売に間に合わないというジレンマを抱えています。だからこそ、2の段階で、開発者は法令を意識しつつ、製法、配合、工場、原料等、様々な条件を検討し、製品開発を行っています。

JFE:製品開発のプロセスを手戻りのないように、確実に進めていくことと、法令順守を担保するためのチェックを両立させていくことが求められていることがわかりました。

製品開発担当の「法令チェック」

JFE:上記2のセルフアセスメントが非常に重要であるとのことですが、開発担当の方はどのようにしてチェックをされているのでしょうか。

アドバイザー

開発者をサポートする仕組みとして、食品メーカーでは、自社が開発する食品分野には、どんな注意すべきか法令、社内基準があるのかリストのようなものを持っています。法令は毎年のように変わるので、このリストは都度見直すのが通例ですが、新しい分野、あまり参入していない分野では、法令の見直しに時間を要しています。Quebel*では食品対象法令の内、食品表示法、JAS規格、公正競争規約、乳等省令、食品成分規格、添加物使用基準、容器包装規格、有機JAS規格をチェックできるレポート作成機能があります。これにQuebelが対象としていない都条例のようなものや社内基準を追加することで、配合検討中にある程度法規や社内基準をケアすることができます。具体的には、以下のような流れですが、最新の法規に対応しているという安心感があります。

食品法規をベースとした商品開発システム「Quebel」

 

1. 開発する製品は、どんな分野(レトルトカレー、お菓子、清涼飲料水など)の製品なのかを選択します。

 

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2. 法規チェックボタンをクリックします。

 

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3. 添加物であれば使用基準を満たしているのか自動判定すると同時に、食品表示、安全衛生性において満たすべき基準を詳細に示してくれます。法規の対象個所を閲覧できる機能(※)もあります。

 

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※中央法規出版社が提供する以下のサービスを確認できるオプションをご用意しております。(JFE補足)
〇食品表示マニュアル「e-Labelin」
〇食品衛生関連法規「食品LEAD」 

 

4. 社内基準(例:肉3%以上)を登録しておくことで、法規の確認と同様に、社内基準の確認も画面上で行うことが可能です。

 

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また、開発者がセルフチェックした内容は、品質保証部等、第三者も閲覧でき、そこでチェックした内容を共有しながら、品質・表示のアセスメントが可能になります。開発の早い段階で法規項目が確認でき、その結果が共有できる点は、品質アセスメントを行う上で有効だと考えています。

JFE:年々変化する食品法令への対応は、もう人手では限界ということですね。Quebel導入ユーザー様では、新しい分野の商品展開にもQuebelが役立っている、といったお声もいただいております。是非本コラムをお読みの皆様におかれましても、Quebelのご検討を頂けますと幸いです。

次回は「商品情報の管理」のテーマでコラムをお届けいたします。次回もご期待ください。

本コラムアドバイザーの経歴

大手食品メーカーにて研究開発、品質保証責任者を歴任。長年に渡って、同社のMerQuriusの社内運用にご尽力をいただいており、今では同社の情報系の重要な中核システムとして全社でご活用を頂いております。2011年には、第1回食品表示検定・上級にも合格されており、現在は後進の育成にご尽力されています。

前回は以下からご覧いただけます。

次回は以下からご覧いただけます。

JFEシステムズでは、品質保証部門の課題解決に関するセミナーを定期開催しております。
多くの食品メーカーで実際にどのようにMerQuriusを活用されているのか、事例等もご紹介しております。ぜひご参加ください。

※「MerQurius」は、JFEシステムズ株式会社の登録商標です。その他の記載されている製品名は各社の登録商標または商標です。

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