【食の安心・安全コラム】
20年来のMerQuriusユーザーが語る
品質保証業務のあるべき姿とは?

品質保証業務はどうあるべきなのか。

食の安心・安全を担保する上で最重要となるこのテーマをJFEシステムズは20年以上にわたり、多くの食品メーカー様と一緒に考えてまいりました。

本コラムでは、長年MerQuriusをお使いいただいている大手食品メーカーの品質保証責任者様をアドバイザーとしてお迎えし、全9回にわたって、品質保証業務のあるべき姿を解説していただきました。

第4回:品質情報管理の原点「原料管理」編

掲載日:

ここがポイント

  • 「原料情報」を確認する食品メーカーの負荷は非常に高い
  • 「原料情報」は集めて終わりではなく、定期的な更新が必要
  • 「原料情報」の管理を人手で行うことは既に限界を迎えている

品質情報管理の原点は「原料情報」の管理

JFEシステムズ(以下、JFE):前回のコラムでは、「原料品質規格書」の重要性についてお話しいただきましたが、原料情報の内容について、どのような記載が行われているのでしょうか?

アドバイザー

前回のコラムでもお話しましたが、原料情報を正確に登録・管理することが、品質情報管理のスタートとなります。原材料表示、アレルギー表示、遺伝子組み換え表示、栄養成分表示、強調表示(特色ある原料)、安全衛生性といった情報の基となるため、記載される情報と確認ポイントは非常に多いです。

例えば、原料の分類に応じて確認すべきポイントが異なります。
「食品」であれば、製品にその原料を使用したときに、どのような原材料名になるのか。
原材料名は、生産時投入した原料の一般名称を記載します。

例えば「人参」であれば、八百屋さんで売っている人参は「にんじん」、原料の劣化を抑えるためにボイルした人参は「ボイルにんじん」となります。更に使用される製品によっては、表示名称が変わる可能性もあります。上記の2つの人参をレトルトカレーに使用した場合、個別品質表示基準「レトルトパウチ食品」に則って、いずれも「野菜(にんじん)」となります。

「添加物製剤」であれば、添加物の物質名、用途、主剤、副剤の判断は妥当か。
「食品添加物」なら、製品に使用したとき、適切な用途で使用しているか。
原料の分類1つとっても、これだけの確認をしなければなりません。

他にも以下のような確認ポイントが挙げられます。

表1:原料情報の主な確認ポイント

  • アレルギー、遺伝子組み換え情報については起源原料まで遡って記載されているのか
  •  原料原産地制度の対象となるかどうか
     →重量順1位の原料であれば、製造地や産地の担保も必要となります
  •  アレルギーコンタミは妥当か、ラインコンタミの可能性はあるのか
  •  使用されている添加物、その用途は妥当か
  •  得意先が拒否反応を示している添加物が含まれていないか
     →社内基準や得意先の基準に照らし合わせて逐次判断する必要があります
  •  複数社から購買している原料の場合、記載情報の粒度は揃っているか

「原料情報」は1度登録すれば終わりではない

JFE:前回のコラムでは原料サプライヤーの負荷を教えていただきましたが、受け取る食品メーカー側の確認も大きな負荷となっていることがわかりました。原料情報の確認作業は1回確認すれば終わりなのでしょうか?

アドバイザー

原料情報は1度登録すれば終わりではありません。登録後も状況に応じて、常に管理・更新を行っていく必要があります。手元にある既存原料の品質情報が今も変わっていないかを半年や1年といった期間を定めて、各食品メーカーは対応されていると思います。

更新の際にも確認しなければならないポイントは、登録時の確認と同等ですが、もし情報の変更があった場合は、各種表示への影響有無や商品カルテへの影響を確認する必要があります。この確認を行うときには、旧版の原料規格書と新版の原料規格書を並べて、一項目ずつ目検で確認している食品メーカーも多いと聞いています。

加えて、昨今の原材料費高騰もあり、既存原料の更新だけでなく、代替原料の探索もこれまでと比べて格段に機会が増えています。その際にも更新と同じような作業が必要です。

原料情報の収集・管理を人手で行うのは限界

JFE:原料情報の収集、管理の負荷が極めて高いことが良く理解できました。食品メーカーは今後どのように対策すべきでしょうか。

アドバイザー
原料情報の収集・管理を人手で行うのは既に限界を迎えているかと思います。品質情報管理の原点は「原料管理」であるからこそ、まさにDXによる業務改革・改善を検討すべき領域です。本コラムをご覧の皆様も様々な取り組みをなされているかと思いますが、ここで一つ、JFEシステムズからご案内があるそうで・・・?

JFE:完璧なフリをしていただき、ありがとうございます(笑)

弊社では「品質情報管理業務のDX推進の実現」をキーワードとした、「食品メーカー様向け品質情報管理業務のDX推進Webセミナー」を開催しております。弊社製品である「MerQurius」導入メーカー様事例から算出した「定量的な効果」を交えて、DX推進をご提案させていただくセミナーです。今回の原料情報の収集・管理の部分においても触れているセミナーとなりますので、是非とも皆様のお申し込みをお待ちしております。以下のボタンからお申し込み可能です。

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第3回、第4回と「原料」についてお伝えさせていただきました。次回は「配合・原材料表示作成業務」をテーマとしたコラムを掲載させていただきます。

本コラムアドバイザーの経歴

大手食品メーカーにて研究開発、品質保証責任者を歴任。長年に渡って、同社のMerQuriusの社内運用にご尽力をいただいており、今では同社の情報系の重要な中核システムとして全社でご活用を頂いております。2011年には、第1回食品表示検定・上級にも合格されており、現在は後進の育成にご尽力されています。

前回は以下からご覧いただけます。

次回は以下からご覧いただけます。

JFEシステムズでは、品質保証部門の課題解決に関するセミナーを定期開催しております。
多くの食品メーカーで実際にどのようにMerQuriusを活用されているのか、事例等もご紹介しております。ぜひご参加ください。

※「MerQurius」は、JFEシステムズ株式会社の登録商標です。その他の記載されている製品名は各社の登録商標または商標です。

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