【食の安心・安全コラム】
20年来のMerQuriusユーザーが語る
品質保証業務のあるべき姿とは?

品質保証業務はどうあるべきなのか。

食の安心・安全を担保する上で最重要となるこのテーマをJFEシステムズは20年以上にわたり、多くの食品メーカー様と一緒に考えてまいりました。

本コラムでは、長年MerQuriusをお使いいただいている大手食品メーカーの品質保証責任者様をアドバイザーとしてお迎えし、全9回にわたって、品質保証業務のあるべき姿を解説していただきました。

第2回:品質保証業務の主要課題

掲載日:2024年2月21日

ここがポイント

  • 予期せぬ事態や法改正が多発しており、得意先から正確かつ迅速な品質情報の提供が求められている
  • 商品情報だけでなく、原料、配合、包材の情報を連動させたデータベースが必要

お客様・得意先から求められる情報

JFEシステムズ(以下、JFE):第1回のコラムでは、品質・安全の担保についてお話を伺いましたが、具体的にお客様からどのような情報を求められましたか?また、開示するための課題はありましたか?

アドバイザー

予期せぬ事態が多発して、法改正が頻繁に行われた結果、お客様やお得意様からは、正確かつ迅速な品質情報の提供が求められました。
以下は、予期せぬ事態の一例です。

 

予期せぬ事態の例お問い合わせの例
BSE(牛海綿状脳症)使用している製品には、米国産の牛肉が含まれていますか?
鳥インフルエンザ使用している製品には、タイ産の鶏肉が使用されていますか?
不許可添加物が使用された香料○○会社の香料が使用されていますか?
産地偽装北海道産とされている商品の根拠を教えてください。

 

また、法改正などによりパッケージの改版が多く発生し、マーケットに複数種類のパッケージが流通しておりました。
その為、お客様からお問い合わせをいただいた際に、お客様が手にしているパッケージがすぐに判別できず、苦労する場面が増えております。
商品を生産してお届けする仕組み(生産管理)は1990年より以前から存在していましたが、企画開発側の品質情報(どういう配合、原料を使って商品ができたのか)を管理する仕組みではなかったため、どうやって製品ができたかという情報までは管理しておりませんでした。

品質情報を管理するデータベースの必要性

JFE:どのような情報を管理する必要がありましたか?

アドバイザー

商品の詳細情報や原料、配合、包材の情報を連動させたデータベースが必要でした。

例えば商品情報の管理についてですが、昔はJANコード単位で管理を行っており、問い合わせがあった際には、JANコードを管理する生産部門から時間をかけて回答する体制で十分でした。

ただ、現在は得意先、消費者への商品情報の開示を行う中で、得意先・消費者の手元にある商品情報が最新とは限らないケースもあります。その為、1商品に対して複数時点での情報を「版」という形で多元的に管理し、商品に紐づく原料や配合といった周辺情報も「版」で管理できるデータベースが必要です。

また、データベースを運用する中で重要な点が、格納されている情報の鮮度を保持することです。その為には商品情報を細分化し、情報更新の責任を分担、明確化することが重要です。例えば、成分分析の情報であれば研究所、製造工程の情報であれば工場スタッフ、というように情報の源流にいる人、つまり当事者に情報を入力させるような仕組み、ワークフローを持つことで、一番正確で鮮度の高い情報が保管されるデータベースとなります。

この点に関しては次回以降で詳しくご説明させていただきます。

本コラムアドバイザーの経歴

大手食品メーカーにて研究開発、品質保証責任者を歴任。長年に渡って、同社のMerQuriusの社内運用にご尽力をいただいており、今では同社の情報系の重要な中核システムとして全社でご活用を頂いております。2011年には、第1回食品表示検定・上級にも合格されており、現在は後進の育成にご尽力されています。

前回は以下からご覧いただけます。

次回は以下からご覧いただけます。

JFEシステムズでは、品質保証部門の課題解決に関するセミナーを定期開催しております。
多くの食品メーカーで実際にどのようにMerQuriusを活用されているのか、事例等もご紹介しております。ぜひご参加ください。

※「MerQurius」は、JFEシステムズ株式会社の登録商標です。その他の記載されている製品名は各社の登録商標または商標です。

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