食品法規コラム

本コラムでは、中央法規出版 株式会社 食品表示コンシェルジュ様より食品法規に関しておさえておくべきポイントを解説していただきます。


皆さんこんにちは。食品表示コンシェルジュ(中央法規出版)です。
いよいよ年度末、大きな制度改正が迫ってきました。令和7年度の改正は、関係する業種がとても多いです。抜け漏れなく情報を拾って、御社に関係のある改正を知り、速やかに対応していきましょう。
今回は、近日行われる主な改正など、絶対に抑えなければならないトピックスを4つお伝えします。

食品表示の重要な改正情報4選

掲載日:2025年3月26日

①個別品目ごとの表示ルール見直し

令和6年5月から、食品表示基準上で規定されているすべての食品分野に対して、できるところから横断的な基準(一般加工食品などのルール)に合わせていく議論が行われてきました。国際的に流通障壁を少なくするグローバル対応の一環でもあります。食品品目ごとに順次検討がなされ、その結果、多くの食品が横断的ルールに近づける形で改正されることとなりました。

各品⽬ごとの分科会における検討結果の概要

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出典:「第76回食品表示部会(資料4 個別品目の表示のルールの見直しについて:令和7年1月:P13~14)消費者庁食品表示課」(内閣府)
https://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/syokuhinhyouji/doc/250130_shiryou4.pdf)を加工して作成

表を見ていただければわかるように、業界によっては個別規定をまったく無くしてしまう品目(調理冷凍食品、チルド製品、炭酸飲料、即席めん、うにあえもの)もあれば、一部個別ルールが残る品目もあります。また、項目別にみると、原材料の個別ルールがかなりの品目で廃止されることが分かります。「×」の項目は今後一般加工食品のルールに則って書くことになり、原材料でいえば、例えば糖類のまとめ表記のルールや、複合原材料の書き方などが従来の個別ルールとは異なってくるため注意が必要です。

この制度改正は年度末の公布日から(調理冷凍食品は令和8年度から)施行の予定ですが、5年間の猶予が設けられます。つまり、向こう5年間は旧新の基準が並行して存在することになります。皆さんの扱う品目の管理手法や切り替えるタイミングを検討し、混乱を招かないように対策を行いましょう。

なお、今回の改正は、先の表のとおり、国の分科会第1回から7回(令和6年中)に議論された22品目が対象です。残りの品目(22品目)は順次検討中であり、令和8年度を目途に改正される見込みです。今回改正にならなかった品目も改正の俎上に乗りますので、国の検討経過を把握し、早めに対策を講じておくと安心です。

②栄養関係の見直し

インパクトがあるのは「栄養強化目的で使用される添加物の表示免除規定が削除される」改正です。消費者にとって分かりづらいことや、EU等は既に表示しているなどの理由から今回の改正となりました。ビタミン類、ミネラル類を中心に、多くの物質が表示免除できなくなるため注意が必要です。こちらも5年間の経過措置が設けられます。
その他、栄養機能食品やトクホに関わる栄養素等表示基準値、栄養強調表示の基準値も広範囲にわたり数値変更されます。

③期限表示の見直し

こちらは新しいガイドラインが出されます。食品ロスの観点から、安全係数を1に近づけること(従前は0.8以上)、差し引く時間や日数は0に近づけることが示されます。その他、平成7年通知の「5日」で区別する考え方は現在は継承されていないこと、画一的でなく食品の特性に応じた試験・検査から指標を選定すること、まだ食べられる期限をできるだけ開示すること、等が事業者に求められます。

④アレルギー表示の見直し

特定原材料「くるみ」の猶予期限が令和7年3月31日で切れます。一般の加工食品は製造・加工・輸入が3月31日まで、業務用加工食品は販売の期限が3月31日までですので、今一度ご確認ください。

なお、令和7年1月に「第7回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議」が開催され(前回から約1年ぶり)、令和6年度の全国実態調査を踏まえた特定原材料等の追加・削除の検討が行われています。具体的には、カシューナッツが特定原材料に、ピスタチオが特定原材料に準ずるものに追加される見込みです。こちらは令和7年度中の改正を目指しています。

食品表示コンシェルジュを使うと、制度の「今」はもちろん、制度がこうなる、という「近い未来の制度改正」も集約して確認することができます。使い方説明会も随時行っていますので、お気軽にお声かけください。まだ食品表示コンシェルジュを導入されていない方は、大きな制度改正が起こるこの機会に是非お試し版をご利用いただき、人力による制度収集からの解放と、確実に改正内容を抑えられる効果を体験していただければと思います。

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